ネズミの防除方法
ネズミ防除の基本対策
ネズミの防除を考えましょう
ネズミは食物を食い荒らすだけでなく、各種の病原菌(サルモネラ菌など)やダニを媒介することもあります。 また、家屋、家具、衣類を始め、電線、壁にいたるまで鋭い歯でかじり、被害を及ぼします。 ネズミの特徴や習性を充分に理解した上で、ネズミの退治に取りかかりましょう。
ネズミ防除は環境対策が基本
ネズミを防除するためには、ネズミの住みにくい環境にすることが基本です。つまり
- (1) 餌となる食べ物をなくす
- (2) 巣づくりの場所や材料をなくす
- (3) 通路をふさぐ
という環境対策が、重要です。
トラップや薬剤は脇役
ネズミ防除の主役は、あくまでも環境対策。
トラップや薬剤は、環境対策を行ってはじめて効果の上がる補助手段であり、脇役でしかありません。環境を改善しない限り、ネズミ防除の抜本的な解決にはなりません(ネズミにとって住み心地の良いところに、トラップや薬剤を使用しても防除の効果は上がりません)。
具体的に
(1) 餌となる食べ物をなくすためには
食料品、原材料の収納と保管、および台所などの整理整頓、清掃の徹底が必要です。 また、ゴミは蓋付きポリバケツに入れて保管し、決められた収集日、収集時間に出すようにしましょう。
(2) 巣作りの場所や材料は
巣作りの場所は......台所付近の床下、下水周辺、ゴミ箱の下、天井裏、押入れ、壁の中、引出し、放置されたガラクタ、冷暖房機の中など。 巣づくりの材料は...紙、布、ワラ、ビニール、ゴムなど。

(3) 通路をふさぐには
通気口、通気窓、煙突、パイプ取り付け口、冷暖房などの連結箇所、などの金網張りをしましょう。 下水溝、排水口、マンホール、水抜き穴、ダストシュート口、などの蓋の整備を行いましょう。 (編み目や間隔は8mm以下がよい)
ネズミの種類と特徴
家ネズミは、おもにドブネズミ、クマネズミの2種です。
ドブネズミ
体長20〜25cmで、300g以上のものもいます。クマネズミより大きく、どう猛です。
耳は厚く小さく、尾が体長より短いようです。雑食性で動物質を好みます。
寒さには比較的強いようです。
- 住んでいるところ
- 屋内外、床下、地下、下水、石垣、川岸など水気のある所を好み、土に穴を掘り生活しています。 水中を泳いだり、潜ることも可能です。
クマネズミ
体長15〜20cm、100〜150gとドブネズミよりやや小さく、体つきはスリムです。
耳は薄くて大きく、尾が体長より長いようです。
よじ登る能力が著しく高く、都市のビル環境に高い適応能力があります。
現在、都心で増えているといわれているのがこのネズミです。
- 住んでいるところ
- 屋内、天井裏、壁、はり、はめ板、その他家屋内の柱などをじょうずに登り、高い場所や乾燥したところに巣をつくります。 子どもは、寒さに弱いようです。
ネズミの習性(ドブネズミ、クマネズミ)
- 夜間活動性の動物で、感覚器官(耳や鼻)が発達しています。
- 狭くわかりにくい通路や物かげに沿って行動し、一定した通路を通り、非常に用心深い動物です。
- 直径1〜2.5cmの穴があれば、通過できます。
- 直径4〜10cmのパイプ内なら登れます。
- 1mくらいなら飛び上がり、幅1.5mくらいなら飛び越します。
- 雑食性で何でも食べ、少量ずつ1日に体重の約4分の1の量を食べます(住んでいるところによって好みが異なる)。
- 歯(上下に二対ある門歯)が1年に1mぐらい伸びるため、硬い物をかじり、歯を削らないと食べ物を食べられなくなります。
- 繁殖力が強く、生後3カ月から出産し、条件が良ければ年に6〜7回分娩し、1回に平均6〜8匹の子どもを生みます。
- 寿命は2〜3年です。

ラットサイン
ネズミが毎日出没する場所は、糞や尿で汚れます。これをラットサインといい、ネズミがいるという証拠です。 このほかに、寝静まってから天井裏で音がしたり、イエダニが増えたりという場合も、ネズミがいる証拠ですので、充分注意しましょう。
ネズミの好む餌は
ネズミの好きな餌は、それぞれの家庭により異なることが多いようです。 一般に、油ものや味付けしたものを好みます。 特に、ソーセージ、はんぺん、さつまあげなどの魚肉練り製品が好みです。 また、さつまいも、チーズ、ヒマワリの種も大好きです。
ネズミの防除方法
ネズミを防除するためには、
- 環境対策(環境的防除方法)
- トラップ(物理的防除方法)
- 薬剤(科学的防除方法)
があります。
ネズミ防除の最も重要対策は、環境対策であり、トラップや薬剤はあくまでも補助手段です。
1. 環境対策(環境的防除方法)
次の3つが最も重要な基本的対策です。これを実施しない限り、他の防除方法の効果は期待できません。
餌となる食べ物をなくすこと
ネズミは、1日に体重の約4分の1の量の餌を食べます。 また、一方で、エネルギーの消耗が激しいため、2〜3日食べないと餓死することもあります。 このため、食べ残しは蓋付き容器に入れ、未使用の食品はすべて格納し、ゴミは蓋付きのポリバケツに入れることにより、ネズミの餌となる食料などをカットすることが、大きな防除となります。
巣づくりの場所や材料をなくすこと
巣は、ネズミ自身の身を守り、繁殖するために欠かせないものです。 そのため、営巣場所となりやすいダンボール箱や戸棚を整理整頓することが大切です。 また、ゴミは決められた収集日、収集時間に出し、ゴミ置き場や収集場所は清掃や整理整頓を心掛けましょう。 家の周囲についても、清掃や草刈りを行い、環境を整えましょう。 一方、巣の材料として雑巾、紙屑、ビニール袋など身の回りのものが用いられることがあるので、これらの管理にも気をつけましょう。

通路をふさぐこと
室内に入れなくするとともに、行動範囲を広げさせなくするために、外壁の穴をふさいだり、排水口に金網を張ることが重要です。
ネズミの通路になりやすい場所

2. トラップ(物理的防除方法)
トラップによる防除は、環境対策の補助手段です。 環境を改善しない限り、一時的に効果があるだけで、抜本的なネズミ防除になりません。
トラップには、餌を使用するタイプで圧殺式(バネ式パチンコ)と生け捕り式(カゴ式ネズミ取り)などがあります。 また、餌を使用しないタイプで粘着トラップ(シート)があります。
現在は、安全性や衛生面で粘着トラップが多く使われています。 これらは、使用上の注意をよく読み、取り扱いに気をつけましょう。 なお、これらのトラップは、雑貨店や薬局などで販売されています。
トラップの仕掛け方の秘訣
- ネズミの餌になる物を取り除きます。特に、ゴミをきっちり片づけましょう。
- 台所や物置など、ネズミの巣や通り道付近の壁際や物陰などにできるだけ数多く仕掛けます。
- ラットサイン(ネズミが毎日出没する場所は、糞や尿で汚れている)の付近に仕掛けるのが有効です。
- ネズミは大変用心深いため、根気強く行いましょう
- 始めの数日間は、仕掛けを行わないで、トラップや餌を置くだけにし、慣らしてから仕掛けるとよいでしょう。

- バネが強いので、手を挟まれないように注意し、軍手をはめて作業するようにしましょう。

- 餌を仕掛ける部分の針金が、できるだけ見えないように仕掛けましょう。

- ネズミの通路となる場所の端に、数多く仕掛けると効果的です。
3.薬剤(殺ソ剤)(化学的防除方法)
薬剤(殺ソ剤)による防除は、トラップと同様に、環境対策の補助手段です。環境を改善しない限り、一時的に効果があるだけで、抜本的なネズミ防除にはなりません。
薬剤(殺ソ剤)は、累積(慢性)毒性(ワルファリン、クマテトラリル、フマリンなど)と、急性毒剤(α-ナフチルチオウレア、シリロシド、ノルボルマイドなど)とに分類できます。累積(慢性)毒性は、体内に取り込まれると、比較的短い時間で効果が現れます。
子どもやペットの誤飲・誤食の危険性がありますので、使用上の注意・説明書などをよく読み、使用方法や使用時期、保管や取り扱いに充分気をつけることが必要です。
なお、ネズミの種類による薬剤効果の差があるようです。つまり、ドブネズミは、殺ソ剤の効果があるようですが、クマネズミは非常に用心深く、環境の変化に敏感で、薬剤をなかなか食べないなど効果が少ないようです。その上、薬剤に抵抗性があるネズミも出現しています。
薬剤(殺ソ剤)使用時の注意と秘訣
- 夏時期に薬剤を使用すると、死んだネズミが腐り、悪臭やウジの発生の原因になりますので、冬時期に行いましょう。
- ネズミの餌になる物を取り除きます。特に、ゴミをキッチリ片づけましょう。
- 薬剤は、ネズミの好む餌(ソーセージ、はんぺん、さつまあげなどの魚肉練り製品)に振りかけたり、ラットサイン(ネズミが毎日出没する場所は、糞や尿で汚れている)のある場所付近に仕掛けると有効です。
- 通常、薬局で販売されているものは、累積(慢性)毒性の薬剤がほとんどです。累積(慢性)毒剤は、4〜5日以上続けて食べさせると効果が上がります。
- 誤食事故防止のため、夕方に仕掛け、朝に回収した方がよいでしょう。
- 死んだネズミは早めに始末をしましょう。
- ネズミは大変用心深いため、根気強く行いましょう。
薬剤(殺ソ剤)の仕掛け場所の例






